みなさん こんにちは!
鷹匠店 鈴木でございます^ ^
今回は礼服生地についてのご紹介です
アークで取り扱いのある礼服生地は主に4つ。
1着29,900円(オリジナル生地)
1着38,000円(オリジナル生地)
1着45,000円(長大毛織)
1着55,000円(大同毛織)
※全て税別価格
価格の違いは「生地の質」と「黒色の濃さ」によります。
また、生地のブランドといえばイタリア生地やイギリス生地が有名ではありますが、
礼服で扱っているこの”長大”(チョーダイ)や”大同”(ダイドー)は日本産の生地になります。
どちらも愛知県に本社があるのですが、
この愛知県の尾州一帯は実は日本の毛織物のメッカです。
奈良時代(710年~)以降に織物産地として発展を始めて以降、
特に西洋服が日本に入ってきた明治時代には絹や綿織物を中心に、
そして1945年の毛織物の輸入自由化を経ることでさらに大きく発展してきた…
という長い歴史を持つ地域です。
この尾州地域の特徴として挙げられるのが
「分業文化と木曽川の水源」です。
~尾州の分業文化~
羊の毛が1本の糸、そして生地になるまでにはたくさんの工程が必要です。
そこで尾州では「紡績→撚糸→染色→整理」の工程を地域の中で分業・協業しています。
例えば 糸を撚(よ)る、
「撚糸」の工場だけでも小さいものを含めれば200社程にもなるそうで、
「尾州全体で一つの毛織工場」と言えるかもしれません。
いわゆる職人文化の色が強いのが尾州生地の特徴と言えます。
※
イタリアの有名な生地メーカー「ゼニア」や「レダ」などは
これらすべての工程を自社内で一貫して行っています。
加工を一貫して行うことで
クオリティやブランド哲学を保つことができるのが海外メーカーの強みです。
~尾州と木曽川~
潤沢な木曽川の水源は よい生地を作るために欠かせません。
世界3大毛織物産地…といえば、
- イギリスの”ハダースフィールド”
- イタリアの”ビエラ”
- 日本の”尾州”
なのですが、この世界3大産地…を世界2大産地とした場合、
選ばれるのは「ビエラと尾州」になるとか…。
以前にも毛織物を作る工程での”水の柔らかさ”の重要性に触れましたが、
木曽川は「軟水の国・日本」の中でも特に低い硬度を持ちます。
それは水道水の硬度を比較すると一目瞭然です。
<水道水の硬度>
東京60
静岡76
名古屋19
羊の毛を洗う・染める…ことについての解説はこちら↓
尾州(日本)には羊の毛を洗う「洗毛」の機械がないそうで、
海外で洗われたものが日本に輸入されて加工されているとのことですが、
日本の丁寧な技術は海外ブランドに全く劣らないものです。
”黒一色の無地”というシンプルな生地だからこそ、
伝統ある地で織られた生地を着てみたいですね^ ^
※
これまでアークの店内には礼服以外に尾州産の生地が無かったのですが、
2021年8月より待望の”尾州産スーツ生地”が入荷いたしました。
大量に仕入れたわけではないので1点物の生地も多いのですが…
ご来店の際はぜひ触ってみてください^^
(尾州産スーツ生地については、また後日、ブログで詳しくご紹介します)
そんなところで、また次回
《オーダースーツ アーク》
店休日:なし(年中無休)
営業時間:10~19時
予約:不要(ご来店順のご案内)