平素は格別の引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
皆様こんにちは、ニホンギです。
本日は、お客様からご相談の多い
スラックス裾のダブル幅についてダブルの裾口に纏わる諸説を交えて深堀して解説させていただきます。
では早速
ダブル幅は本来、身長で判断するのが定説です。
例えば5cm幅の場合、身長180cmの方ですと細く感じ170cm未満の方ですと幅広に感じます。
余談ですが裾口幅はクラシックスタイルの場合靴のサイズで判断します。
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ダブルについてもう少し深堀していきましょう。
◆Wとはラテンアルファベットです。
◆ダブルは和製英語です、正式にはTurn Upと言い、シングルはPlainと言います。
◆注意点はダブルの裾口はフォーマル正礼装ではNGです。
◆シングルにするかダブルにするかは服の格式で判断。
結論から申し上げますとシングルが正式です。(いろいろな意見が飛び交っていますが…)
◆ディテール、股下や裾口幅、シューズもトータルで考えることも必要です。
◆ダブルの裾の登場は、英国貴族が雨で裾を織り返していたのを見てカッコいいと誤解の解釈説。(教会や米国へ他の諸説あり)
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股下レングス
股下の長さは、お客様よりも勧める側の好みが大きいような気がいたします。
長め短めの正解は勧める側の好みでの判断、提案で、そうしようかとお客様がご決断するという結果です。
では正解とは?
イメージとしては
TPO、ディテールや体格、裾口幅、シューズもトータルで考えることが必要です。
例えば
裾幅が16cm~18.5cmぐらいまではノークッションまたはハーフクッション
裾幅が19cm以上はハーフクッション
クラシックな23cm以上はワンクッション
裾幅が細くて股下が長いと靴の上でだぶつき見た目美しくありません。
裾幅が広めで短いとバランスが悪いです。
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次にダブル幅のトレンド10年ヒストリーとは?
◆ダブル幅は上記の定説とは別に日本では時代と共に変化いたしました。
◇80年代はソフトスーツの時代3.5cm幅が主流でした。
◇90年代にはいると真逆の細身のスーツが登場し、その後主流になり当時セレクトのバイヤーをしていた私個人も当時のお客様も例えば90年代前半のPRADAのパンツは、この時代5cm幅が主流でした。
◇2000年代に入ると更にミニマム化が進みスキニーパンツなどなど、4.5cmが一般的でした。
◇2010年以降からは一変、1~2タック付きのパンツが登場し現在の主流となりました。
とくに人気の高いナポリ系のテーパードパンツは裾口も細くダブル幅2.5cm。
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2020年代は
イタリア系人気ブランドで展開するジャケットのアンコンはまだまだ多いですが、スーツは英国調の薄くてもパット入りが見直され、スーツの二極化に突入し、合理的にお考えの方と、サスティナビリティ(持続可能性ではなく天然素材で価値が落ちず長く着れるもの)従来のカチッとしたスーツの方向性とまさに両立二極化しています。
裾のダブル幅も一律平均や主流が何cmですではなく、ご身長、体格、裾幅やディテール、スタイル、あわせる靴で変えるべきです。
素敵ですねと個性的ですねは、まさに対義語、注意が必要です。
靴もシャツも時代により変わりました。そちらは別の機会に
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トレンドを知りたい方にはトレンドをクラシックがお好きな方にはクラシックスタイルを
お客様が着たいスーツを承るのがオーダーであると柔軟に解釈していますのでご安心ください。
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