平素は格別の引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
皆様こんにちは、ニホンギです。
今回は今後ブラウン茶のスーツを着てみたいというお客様のご相談が多数ございます。
そこでブラウンスーツについて所見ではなく是々非々の観点で忖度なしに濃い内容で解説させていただきます。
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はじめに
ブラウンとは?
そもそも茶色とは彩度(色の鮮やかさの尺度)が低くくすんだお色
ブラウン茶色というと昔から秋色を連想します。
何故でしょう?
日本では古今東西秋を迎えることで、紅葉や栗などを連想させるお色が茶色、ブラウンという落ち着いた秋のイメージに相応しいとしてイメージ戦略としてアパレルでは秋シーズン前からウィンドウにブラウンがディスプレイされます。
春のパステルも同様です。
そして惹かれるのはなぜでしょう?
ブラウンは、日本人のお肌の色にも優しいお色
海外のイメージとは?
英国ではブラウンはミルクティー(国民の98%が飲むそうです)また地域による全体の景観を重視した統一されたブラウンの建物、馬や木または大地を連想しカントリー田舎くさい色というイメージもあり
一方、他の英語圏ではブラウン=熊を連想、そしてコーヒーやチョコレート、テラコッタ(植木鉢)など、褐色や栗色をブラウンと表現します。
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茶色の心理効果とは?
植物の木や土を連想させ大地の温もり自然の優しさや温もり落ち着き伝統、人に与える印象は安心感や信頼感を感じさせます。
茶色の服は季節のイメージとしては秋の色、秋冬ではダークブラウンのスーツやジャケットは定着しています。
一方、春夏に着るブラウン系と言うとベージュになります。
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ブラウン近年の傾向とは?
10年以上前からダブルのスーツであったり、人気のブラウンスーツ、服はまず色からイメージし素材、ディテールへと連想。
定期的に注目されるブラウンは、カントリーやエレガントなイメージまでかなり幅広いです。
信頼性の高い情報としてパリ・ミラノ2024年及び来2025年春夏はベージュ、2024-2025秋冬パリ・ミラノではダークブラウン、チョコレートブラウン、ピッティではベージュがトレンドです。
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ブラウンの種類について深堀していきましょう。
ブラウン自体色幅があまりにも豊富です。 売り場でも混同しそうな色だけに、今回は良く耳にする代表的な茶色についても解説させていただきます。
また季節のイメージや四季に適した素材があります。
例えば
ダークブラウンは冬向き、フランネル、コーヂュロイ、ツイード素材
ベージュは春夏向き、サマーウール、リネン、コットンと一般的に語られます。
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1)ベージュ
もともとは羊毛の毛の色を指し、現在では薄い黄色または薄い茶色を指します。
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2)キャメル
動物ラクダの毛がキャメル素材、染色によるフラノ、カシミヤのコートやジャケットなど
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3)ライトブラウン
明るい茶色、飴色など軽やかなお色
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4)ブラウン
オレンジとブルー黒をブレンドして作り上げたお色、栗のような色、茶を染料にした色に由来。日本では秋のお色
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5)チョコブラウン
お菓子のチョコレートのような暗い赤みのあるブラウン、現在ヘアーカラーでもおなじみ
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6)ダークブラウン
焦げ茶、焦げた黒みがかった茶色
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その他グレーがかった茶色、赤みが強い、黄色みが強いお色が存在します。
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いかがですか?
意外とイメージしていたお色と違うかも知れません。
また、お使いのモニターによって多少、お色が異なる場合がございます。
色の見え方は、生地を例にしますと生地表面に波長の光が反射して見える生地(物体色)、見え方は三属性である色相(赤、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルの相違)、明度(色の明るさ)、彩度(色の鮮やかさの尺度)で判断されます。
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2025年秋冬の動向とは?ブラウンのトレンドとは?トレンド先取り!
ブラウン⇒信頼できる情報としてパリコレではダークブラウン、チョコレートブラウン(エルメス)
ピッティ・ウォモではキャメルとベージュが注目です。ベージュ~キャメルは2025年春夏も継続してトレンドです。
グリーン⇒ミラノコレではモスグリーン『(コケ色)ロロ・ピアーナ)』とカーキにベージュのコーデが新鮮です。
当方が良いと感じた今シーズンのコーデはロロ・ピアーナのウィメンズプレタポルテ、キャメルのアウターにベージュのボトムスとエルメスのチョコレートブラウンです。
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注意点
ブラウンは落ち着いた印象である反面、地味でもあるため上質なウール素材光沢のあるスーツやジャケットがおすすめです。
ビジネスでは個性的な茶色、式典(結婚式)やフォーマルなシーンには不向きです。カジュアルなお洒落を楽しみたい方は是非トライアルしてみください。
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今のスーツの傾向とは?
オーバーサイズ
2010年代から世界の流れはウィメンズ共にオーバーサイズのスーツがトレンドです。
オーバーサイズ(ルーズフィット)というと体の上で泳ぐような体に合っていない80年代の長く大きすぎるソフトスーツのイメージを連想し思い浮かべます。しかしエルメス、ディオール、ルイ・ヴィトン、ステラ・マッカートニー、プラダ、マルニ、フェンディ、アレックス・マリンズ、ロエベ、ヴェトモンなどのスーツを見ると、以前はぱっとしない80年代の映画やドラマに登場するお父さんのスーツ姿を思い浮かべますが、その時代を知らない若者は勿論のこと知っている当方世代も今のオーバーサイズスーツが魅力的に見えてきます。
よく誤解があるのですが、オーバーサイズとは、過去80年代の長く大きすぎるスーツを指すのではなく、肩巾や袖丈、ウェストは適切なサイズに、パンツの股下レングスもハーフクッションというニュアンスです。
かつての体に張り付くようなピタピタパツパツなスーツと比較してゆったりしたサイズ感、機能的で快適で上品へと世界のトレンドが変化しました。
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ビジネススーツ、クラシックスタイルと言っても現在の芯の薄い仕立、サイズ感、素材、21世紀のフィルターを通した仕立てですので昔のスタイルがそのまま来ている訳ではございません。
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ちゃんとした場所に着ていくちゃんとした服がスーツ
外見は企業イメージに直結といっても過言ではありません。正しい国際的なルール、マナ―、知識を身につけることが必要です。
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コーディネートは?
詳しくお知りになりたい方は過去のブログ
『スーツ着こなし!オシャレ上級者必見!ワントーンコーディネート、ワンカラーコーディネート、トーン・オン・トーン・コーディネート, アズーロ・エ・マローネは和製イタリア語だった!これを見れば解決2024』
トレンドは?
詳しくお知りになりたい方は過去のブログ
『スーツ40年史 トレンドの仕掛け人は〇〇だった!スーツの流行は真逆へと変化した!スーツコーデの過去現在 オーダースーツとトレンドがどう結びついたのか?これを読めば解決!2024』
をご覧ください。
流行色がどのように決まるのか?
詳しくお知りになりたい方は過去のブログ
「2024年流行色パントーン&JAFCAとは?ファッションは色からトレンドが決まる! 徹底解説』
をご覧ください。
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秋冬生地が入荷しました。
尾州生地のオーダースーツ→ihttps://www.e-sebiro.com/bishu
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