平素は格別の引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
皆様こんにちは、ニホンギです。
本日は、スーツご購入の際にお客様からご質問いただきます
ジャケットとブレザーの違いについて解説させていただきます。
混同しがちですが、いったい、どのような違いがあるのでしょうか?
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深堀していきましょう。
ジャケット は腰丈の上衣の総称で、前開きで袖付きの洋服のことです。(いろいろなタイプを含みます)
ジャケットの歴史はスペイン語の鎖カタビラを指すヤク jacと古フランス語ジャク jaqueショート丈のチュニック、キルティング仕様の説があります。
最近はグレンプレイド(格子)が人気であり、トレンドです。
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ブレザーblazerはシングルとダブルがございます。
ネイビーのフランネル(冬生地)にメタルボタン、胸のエンブレムが代表的で、スポーティーな上衣sports jacketとも呼ばれ、学生の制服やユニフォーム、警備会社の制服の種です。しかし近年欧米では、このようなディテール特徴でない上着もブレザーと呼ぶようです。
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起源
昼の正礼装モーニングコートから派生し、クリケットやテニス用として着用していたようです。1829年、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の中間に位置するテムズ川で、両校対抗のレガッタ、ボートレースが開催され、この際母校のフランネルのジャケットを着用していました。
その後20世紀にはアメリカのアイビーリーガーの学生もブレザーを着るようになりました。
一方、ダブルのブレザーの起源はポーランド騎兵が、乗馬の際に風が入らないようにダブルになったと語られ、18世紀になると軍服として着用されました。19世紀初頭英国海軍将校の制服としてネイビーのフロックコートが着用されました。さらに動きやすいように丈を短くしたものが後に指揮官候補生用の制服になりリーフィングジャケット、リーファージャケットと呼ばれ。現在のメタルボタンのブレザーは軍服であった名残です。
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語源
英国海軍の軍艦ブレザー号HMS Blazerであると語られ、ブレザー号のJ.W.ワシントン艦長が全ての乗組員に着用させました。その後他の艦でも制服として採用されました。1850年代正式に水兵の制服になりました。
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アンコンジャケット
近年、ジャケットはイタリア生地の軽く柔らかい上質な羊毛で仕立てたアンコンジャケットが人気です。特にクールビズの期間は気軽に羽織れますので活躍します。また、デートの際にも最適、カッコがつきます。
下記画像のグレーのジャケットもアンコン仕立てによるジャケットです。正式にはアンコンストラクテッドunconstructedといい、非構築的なという意味です。
特徴は芯やパットが無く、暑い季節はとても軽く涼しく快適に過ごせます。またパッチポケットがとてもよくあいます。
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一方、ここ10年のブレザーで人気なのはホップサック(下記3分割画像右上)という細糸を平織で仕上げた粗い麻の表面に似た通気性の良い羊毛素材です。語源はビールの苦みホップを収穫運搬する麻袋の材質に似ているためです。
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最近のコーディネート
ジャケットやブレザーというとネイビーにグレーのスラックスが定番です。
今後数年は、格子柄の上着(下記3分割画像上)伊ブランド、タリア・ディ・デルフィノ参考画像
白、オフ白、ライトグレー(3分割画像右下カノニコ参考画像)のパンツのコーディネートが新鮮、現在の傾向です。(各画像の生地はイメージとしてご覧ください)
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お勧め生地ブランドは1663年イタリアのビエッラ創業のVITALE BARBERIS CANONICOカノニコと世界三大ミル(ミルとは織元、生地の生産を一貫して行う)の1つTALLIA DI DELFINO タリア・ディ・デルフィノ、素敵な生地が多数ございます。
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