平素は格別の引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
こんにちは、のニホンギです。
今年1月からブログを月5回ペースで投稿し、最近ではご新規様の接客の際、過去に投稿したブログの内容の会話になることもあり、大変嬉しい限りです。
また、採寸についても県外の遠方から、ご紹介でご新規様からお電話にてニホンギのご指名をいただけるまでになりました。
過大な評価をいただき誠に恐縮です。誠にありがとうございます。
今後も永年培ってきた知識と技術を存分に活かし、イージーオーダーの範囲内で最善を尽くしていきます。よろしくお願い申し上げます。
さて
本日は、売り場でお客様がスーツ、シャツのポケットへ入れて良いもの入れてはいけないものは何とご質問がございました。
そこで今回は
ポケットに入れてよいモノ、入れてはいけないモノについて解説させていただきます。
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では早速
①ジャケットの胸ポケット
は、婦人服ではチェスト・ポケットと呼び、もともとポケットチーフを挿すためにあります。
ポケットチーフの起源はハンカチーフ。1780年代にフランスのルイ16世がハンカチを正方形に統一いたしました。
ハンカチは綿素材でつくられエチケットとして持つものに対して
ポケットチーフは相手に対しての敬意、装飾として、夜はシルク日中は麻が基本となります。
てっぱんは白の麻をお勧めします。
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②ジャケットの内ポケット
は、長財布や名刺入れを入れるポケットとして
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③ジャケットのフラップ付腰ポケット
は、ほぼ現在では飾りとしてございまして、ものを入れません。
由来は英国貴族の午後の日課は乗馬、乗馬の際に手を温めるため、手を入れやすくするためにナナメ(スラント、ハッキング)ポケットが考案され作られたようです。
雨蓋とも言いホコリや雨が入らぬように屋外用としてついています。室内着である正礼装のタキシードにはつきません。
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④ベストのポケット
はもともとチェーン付きの懐中時計を入れていました。現在では型崩れ防止として何も入れない方がよろしいかと思います。
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⑤スラックスの左右横にある脇ポケット
も飾りとお考えいただいたほうがよろしいかと存じます。
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⑥スラックスお尻の左右にありますピスポケット
は、護身用のピストルを入れていたのでピスポケットと呼ばれています。
特にタイトシルエットのスラックスのポケットは摩擦による消耗や劣化がおきやすい部位ですので、極力何も入れないことが望ましいです。
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⑦シャツ
は、第二次世界大戦後スリーピースからツーピースが流行り懐中時計を入れていたベストを着用しなくなったため、合理的に米国ではシャツの胸ポケットがついたという説。
本来ドレスシャツには胸ポケットをつけません。現在ではペン他用としてご使用になる方も多いですが、何も入れない方がスマートです。
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まとめ
上着の胸ケットはポケットチーフを
上着の内ポケットは薄い長財布、名刺入れ
スラックスのポケットは極力モノや手を入れず使わない方が良いです。ピスポケットにアイフォーンをお見かけしますが確実にポケットの破損の原因につながります。
当方の祖父の時代は仮縫い付きフルオーダーのみしかなく、スーツのジャケットを持つとコートのように重く、全体は鎧のように硬く何十年経過しても型崩れをしていません。しっかりフル毛芯仕様に対し
平成からは正反対の
ソフトタッチな素地を使用して芯も薄くシルエット重視の現代、せっかくの綺麗なおかたちをキープする上でも厚さのあるモノ、重いモノはバッグに収納し、カッコよく振舞うことをお勧めいたします。
簡潔に言うと昔のスーツと比較するとデリケートであるという事です。
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